
黒澤明監督と能。黒澤監督をよく知る方であればその二つの結びつきを説明する必要はないでしょう。
「虎の尾を踏む男達」は能の「安宅」に基づいており、「蜘蛛の巣城」では謡と所作の両面において
能から採られ、「影武者」では薪能のシーンが用いられています。また「乱」におけるアカデミー衣裳
デザイン賞を受賞した豪奢な衣装は能装束をもとに作られたものであり、「隠し砦の三悪人」の雪姫の
顔が『喝食の面』、「乱」の楓の方の顔が『増女の面』、「夢」の第三話の雪女の顔が『般若の面』を
それぞれデフォルメして取り入れられたとされています。
「能の美」は1983年に製作着手発表があり、亡き黒澤明監督が、若い人や一般の人々に日本固有の
文化である古典芸能に親しんでもらおうと企画した作品です。和歌山の道成寺、京都の西本願寺、
平泉の中尊寺など日本各地に残る伝統ある舞台で後藤徳三氏による「八島」「羽衣」や喜多節世氏による
「道成寺」などが撮影・紹介される予定でした。しかし脚本は完成し、撮影に入ったのですが、諸事情により
念願叶わず完成には至りませんでした。
今回2010年の黒澤明生誕100年祭記念事業の為設立された「AK100Project実行委員会in宮島」により、
この度、日本の伝統文化である「能」を世界遺産厳島神社能舞台において、喜多流シテ方出雲康雅氏の
「八島」「羽衣」の映画さながらのシーンをこの奉納公演:喜多流能楽舞台「能の美」にて演舞頂く
企画を立案致しました。これは文化・芸術的にも意義のある能舞台となると思っております。
100年に一度しかないこの機会に本企画の主旨ご賛同いただけますようよろしくお願い申し上げます。

タイトル: 奉納公演:喜多流能楽舞台「能の美」
日 時: 2010年7月19日、20日
場 所: 嚴島神社「能舞台」
詳しくは黒澤明生誕100年祭 IN 宮島 公式サイトにて こちら
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